今週の野菜

2025.10.6(月)晴れ、最高温度28度、最低温度20度

             田んぼの畔に咲く曼殊沙華

 

「むかし野菜の復活(前文)」

私は農業の再生と地域の活性化に向けて54歳で銀行を辞して自ら小さな農園を開き、草木を使った自然循環農業を始めました。

畑に出るのが楽しく日が昇れば畑に出て日が暮れればむかし野菜の配達をしてきました。知人縁故を頼って小グループのお客様を集めては有機農産物の啓発活動を続けていました。

会社員時代は人間の欲と規則決まりそして理不尽さの中で枠組みに縛られた生活を過ごし、今度は畑と野菜が相手ですので、自然に抗うことはできず、自然に順な生き方に激変していました。次第に人間の欲が抜け落ちていく毎日でした。

それから20余年、グループ営農を目指す(株)むかし野菜の邑では、ようやく10数人のスタッフと農業生産者と日本全国の消費者達との小さなグループ(結いの橋頭堡)ができました。

そこでは既存の農業を経験していない若者を育て、消費者には市場啓発活動を行いながら、穀類・野菜・など100種類以上の農産物及び加工品を生産・製造し、300余名の北海道から沖縄までの全国定期購入の仲間達(消費者)、そして農園マルシェに集まってくれる

150名ほどの常連のお客様に直接販売をしています。生産者と消費者合わせても500人弱のまことに小さな集団です。

 

自然循環農業を推進しようとすると、国及び地方公共団体そして農協から敬遠されるようになってきました。日本の農業政策は日本最大の既得権団体であり利益集団である農協を中心とした規制政策をとっており、日本には自由な農業を行える環境が無くなっています。

最近、農園のお客様から「日本はどのようになっていくのでしょうか?」「日本の食は安全なのでしょうか?」と言う声が多く寄せられます。いつの間にか農産物や食糧確保への不安へと移って行き、「国が信じられない」「メディアは真実を報じようとしない」などなどの話に変わってくる。おそらく、日本の現状を憂いておられる方々と自然循環農業による農産物を支持しておられる消費者層の価値観とは重なっているのでしょう。

 

「皆が捨てる物を拾い、それを必要としている者に届ける」

古代の中国の伝説的な商人白圭が問いかけた言葉です。農業は今捨てられています。誰かが拾わねば日本の食はどうなるのでしょうか?

どのように「生きる」かは今こそ問いかけられているのでは無いでしょうか?理不尽さに満ちた現代社会では社会的存在価値を求めて生きたいと願っている人もいるのです。

地域で頑張っている人も、別の意味の豊かさを求めて地域へ移住する人もそこで生きていくための農業を基本とした生計の道が開ければ、自然環境は守られ、違った生き方のコミュニティが育っていくことでしょう。

 

地球上のあらゆる生命は「生きるために食べている」逆の見方をすれば「食べるために生きている」地球上の生命体は、毎日、食べるために活動しており、食べるものを得ることが出来なければ死が待っているのです。

生命体は有機物です。常に他の有機物の命を頂いて生きているのです。

古代から人は食を得るために懸命に働き、あるいは、命をかけて闘ってきました。

それだけ大切な食なのに、人間が食に関心を持たないとしたら、自然界では異常なのです。

改めて「生きること」の意味を考えて頂けたらと願っております。

 

「今週からの野菜」

長く夏野菜(茄子・ピーマン・万願寺・ゴーヤなど)が続いており申し訳ありません。

夏野菜も徐々に終わり、秋野菜が出始めます。

今年の暑さは格別であり、これも異常気象の影響で、気候が安定しません。

そのため、秋野菜を蒔いてもすぐに溶けてしまいましたが、今週からようやく少しずつ秋野菜の走りが出始めます。

 

(今週の野菜)

一本葱・九条ネギ;口の中で溶けていきます。

菜花

サラダセット; お待たせしました。定番の野菜です。

オクラ

ピーマン

じゃがいも

筍芋; ぬめりが少ない

カボス; 焼き魚・豆腐・汁物・鍋類など

 

(その他野菜)

茄子二種・万願寺トウガラシ・ゴーヤ・小麦粉・漬物・蔓紫・バターナッツ

などが入ります。