今週の野菜

2022.9.5(月)曇り、最高温度31度、最低温度26度

            秋野菜の種蒔き(6番の畑)

 

残暑厳しい8月末~9月初旬、雨を待って一斉に秋野菜の種蒔きを行う。

空いた畝を探し、あるいは、夏野菜を撤去し、草木堆肥を撒き、畑を作り、

女性陣に種を蒔いてもらう。何時もの秋の農園の風物詩です。

これから晩秋に掛けて数段階での種蒔きを行い、冬期や初春の野菜を育てる。

 

(消費者とのコミュニケーション)

化学肥料(同時に農薬)を使う近代農業が慣行農業とされて久しい。

その中で、有機栽培農産物は市場の2%にも満たない現状。

日本の有機野菜のシェアーは先進国の中でも最低ランクになってきている。

あの中国からも追い抜かれしまった。

化学肥料や農薬・除草剤の多投による農地の劣化(微生物や菌類が棲めない)の危機

や持続可能な農業や自然環境保全の危機をいくら唱えても、それに関心を示そうと

ない日本国民の意識の薄さ。

 

消費者はどの程度害虫被害が深刻なのか、どのような農薬が危険なのか、

如何に除草作業が大変なのか、除草剤は実際の農業現場でどの程度使われているのか、

有機野菜は安全なのか、蓄糞に何故農薬・薬品・抗生物質が入っているのか、

さらに市販されている加工品にどの程度添加物が入っているのか、などなど、

「食の健全性の認識」を明確に持たれているのか疑問です。

まして、農業現場の実態を知ることは難しいと思います。

私が自然循環農業を始めるまでそうでしたから・・・

 

そうした中では、むかし野菜のように、有機・無機栽培を問わず肥料栽培を捨てて

草木堆肥による土を育てる自然循環型農業に転換し、有機栽培の問題点を克服しよう

と始めた「自然栽培」と言う言葉もその意義も多くの消費者は知らない。

特に肥料を使わず露地栽培にこだわり続け、草木堆肥による土作りを行っている農家は、世界でもほとんど居ないわけですから当然かもしれません。

むかし野菜(=自然栽培)は差別化商品と言うよりほとんど新規商品ということに

なります。

 

このような自然栽培農産物は市場啓発・啓蒙活動を同時並行して販売普及に努めなけ

れば理解してくれる消費者は圧倒的に少ないのです。ここに消費者へ伝えることの難

しさがあります。

そのため、知名度の低い農園や農法はマーケティングを導入し、それを欲する消費者

とのコミュニケーション戦略や戦術(消費者へどのようにして伝えるか)が重要とな

ります。

自然栽培野菜の説明には二時間のセミナーを5回繰り返してもまだ時間が足りないく

らいです。そのため、「失われた先人達の叡智」-むかしの有機農法の復活―と言う

タイトルの入門編とも言うべき本を執筆致しました。

              ニラに花が咲きました
 

消費者に商品を知ってもらおうとする場合、その伝達の仕方には広告・ちらし・新聞

及び雑誌記事・テレビラジオ・イベント・口コミなどがあります。

消費者が購買行動に移っていくまでには「望・見・知・認」の4段階があります。

「望」は広告・ちらし・ラジオなどであり、「見」は新聞・テレビ・イベント・

SNSなど、「知」は雑誌記事・新聞記事・テレビ放映・ホームページなどがあり、「認」はお試し購入や口コミなどです。

眺めて、見て、知って、商品の価値を認めなければ消費者は金銭という痛みを伴う

購買行動に移りません。

 

その中でも口コミによる伝達は購買行動に移る可能性が高くなります。

この口コミは実際に体感された消費者が同じような価値観を持っている極く親しい方に伝えるからこそ効果があるのです。

消費者の商品への既存の評価基準(見栄え・外見)に囚われる事無く、自分が正しいと信じた商品価値観を貫く姿勢や思想が信頼できる消費者の共感を呼んでいるのだと思います。

お試し購入のお客様が定期購入のお客様へ転じた時には、「農園の仲間」と言った

感覚に生産者も消費者も変わっていきます。そこには両者の信頼関係が生まれてきて

いると信じております。

当農園の定期購入のお客様からのメッセージは先ず「何時も美味しい野菜をありがと

うございます」から始まり、当農園の返信は「むかし野菜を慈しんで頂きありがとう

ございます」となります。

当農園は本当に良いお客様(仲間達)に支えられておりここに改めて感謝致します。

 

(今週の野菜)

一本葱; 葉先まで食べられます。九条葱と下仁田葱の掛け合わせです。

まだまだ早い出荷となりましたが、これから涼しさが訪れ、寒がやってくれば

さらに美味しさが増していきます。

南瓜; 暑さのせいか、腐りが始まっており、大慌てでの出荷となりました。

牛蒡; 曲がりくねり、枝分かれし、見てくれが悪い。しかしながらこれが本当の

    牛蒡です。暑さのためかやや堅いですが少し長めに火を通してください。

アスパラ;

空心菜

蔓紫;お浸し・素揚げ・天ぷらなど。

パプリカ;赤・黄・黒とあります。

ゴーヤ; 夏の名残です。もうすぐ終わります。

 

(その他野菜)

オクラ・じゃがいも・茄子各種・ニラ・ピーマン・万願寺・梨・漬け物